|
「最近読んだ本で」
浅田次郎「降霊会の夜」
来しかたを さながら夢になしつれば
覚むるうつつの なきぞ悲しき
権中納言資実(すけざね),新古今集巻十八雑歌からはじまる,
最初から和歌がでてくる導入部に弱いのでそこでぐっとのめり込ませる作戦
にまんまと引っかかって読み始める。
戦後間もない頃の街の様子が我々の年代は記憶に残っているので,興
味深い,麻布一の橋公園に掘っ立て小屋が何軒か建ってたことを想いだ
したり,都電が走り,安全地帯に人がいっぱいになる光景が浮かんできま
す。
軽井沢,葉山,第三京浜,六本木交差点,神宮絵画館前,ミニクーパ
ー,ゲバ棒,エトセトラエトセトラの懐かしい単語がいっぱい。
かいつまんで言えば,片思いの女性が若くして死に,主人公の“ゆうちゃん
”に霊になって,死んだ女がいちばんあわれであるということを伝えたいという
ことなんです。
“ゆうちゃん”はその女性に「さよなら」も言わないことのこだわり。
“さよなら”だけはちゃんと言いなさいという教訓。
“さよなら”さえ聞けば,明日以降やっていけるわとの女性の心理。
“さよならだけが人生だ”,なんて誰かが言っていたな。
この杯を受けてくれ
どうぞなみなみ注がしておくれ
花に嵐のたとえもあるぞ
さよならだけが人生だ
于 武陵(う ぶりょう),五言絶句の唐詩を井伏鱒二が訳したものです。
いいですね,井伏鱒二は今のところ一番好きな作家です。
そうそう,“ゆうちゃん”の話。
石原裕次郎が浮かんでくるんですね,何故か。
じっくり読んでください,詳しいことは書けません。
|
|
My Blog
これから
RICHになる方法
ギャラリー・アフィリエイト88
風呂具
屋嘉平
269Fukumoto Gallery
My Home Page
Fukumoto Gallery
posted by アロール at 10:43| 東京

|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
生活・文化
|

|